BIOGRAPHY
エイダン コノリー (Aidan Connolly)
ダブリン出身の若きフィドル奏者。その演奏は、聴く者にシュリーブ ルークラ地方の音楽ルーツを強く感じさせる。ケリー県出身のホイッスル奏者である母親アイリーンによって8歳からフィドルを始めることになった彼は、デニス・マーフィ、ジュリア・クリフォード、ポーリック・オキーフ、そして叔父であるコン・モイナハンらの音楽に触発され、ダブリンのCCE(クレイブノヒ支部)の教室に通った。そこでトム・マックイラゴージら、数々の素晴らしい教師らと出会う。彼は、数あるアイルランド伝統音楽の表現スタイルの中でも、特に伝統的で正統な演奏スタイルに強い関心を示し、1920年以降の録音を極めて広く深く聴き込んでいる。過去、現在のフィドルレジェンド達の演奏をとことん聴き込むことで鍛え上がられた彼の「聴力」は、彼独特の演奏スタイルの中に見事に結実している。
2016年に初のソロアルバム「Be Off」をリリースし、アイルランドの伝統音楽界にセンセーションを巻き起こした彼の演奏は、母国アイルランドのみならず、ヨーロッパ各国、アメリカ、オーストラリア等において、演奏者や愛好家の間で非常に高く評価されている。2012年、クレア県のフィークルフェスティバルでブズーキ奏者の赤嶺文彦と出会って以降、機会あるごとに演奏を共にしてきた二人だが、お互いを高め合うような関係性は、2018年12月に二人が録音した日本ツアー限定アルバムでも容易に聴き取ることができるだろう。今回の初来日では、日本でアイリッシュ音楽を志している素晴らしいミュージシャンの皆さんやリスナーの方々と音楽を共有し、共に演奏することをエイダンは心待ちにしている。
赤嶺文彦(Fu Akamine)
20年もの間アイルランドにおける伝統音楽のメッカと呼ばれるクレア県に在住し、演奏に取り組んでいるブズーキ、フィドル奏者。初期には、フランク・カスティ、シボーン・ピープルズ、オーエン・オニール、アンドリュー・マクナマラ、近年ではソルカ・コステロ、エイダン・コノリーといった素晴らしい演奏者達から貴重な指導と多大な影響を受ける。近年フルート奏者ケビン・ライアンと初のデュオアルバムを製作し、バンジョー奏者ノエル・バーミンガムの初ソロアルバムにも参加。
日本での帰国ツアーは今回が3度目。今回のツアーでは、伝統的なスタイルへの深い理解とリスペクトを兼ね備えたエイダン・コノリーという希有な若き才能から、日本の演奏者やリスナーのみなさんが普段はなかなか得ることが難しいであろう伝統音楽の神髄を吸収してもらえる絶好の機会になるものと信じている。